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後ろを見て歩け

小さい頃、ばあさんから「ぼーっと歩いてるんじゃない、うしろを見て歩け、」とよく叱られました。

「うしろから急いでいる人や自転車がくるかもしれないだろ、だから後ろを気にしながら歩きなさい。横断歩道は早く渡りなさい、待ってくれている運転手さんに申し訳ないだろう、」

今思うと気配りを教えようとしていたのだとわかります。

横断歩道は歩行者のためのものですが、待ってくれている車がいたら少し早足に渡ってみる。すると何かが変わります。

よく、スピード違反で捕まる社長がいました。気が付くと後ろにパトカーがいるそうです。横に乗せてもらったのですがあまりルームミラー、というか回りを見ません。そこで、この話をさせてもらったらスピード違反で捕まることがなくなりました。面白いことにその後、決算の数字も変わりました。きったない倉庫を整理して棚を作っただけなのですが、原価が下がったのです。もっとも「倉庫が汚いから儲からないんだ、」とも言いましたが。

あたりまえのように見えている景色をもう一度見直してみる。今までに見えなかった何かが見えてきます。

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在庫をじっくり眺めてみる。

ウィンターウェアのデザイン会社。製造は中国、独自のブランド名も確立し、そこそこ人気がありました。借金をするまでは販売も順調でした。

親や親戚からの借金は、ある時払いの催促なし、ですが、その無言のプレッシャーには大きなものがあります。

その緊張感の中で仕事をしていた時は好調でした。

でも銀行から借金ができるようになって、おかしくなりました。最初の借金は800万です。それがアッという間に5千万を超え、そのすべてが在庫として積み上がってしまいました。

もっとファンは増えるはずだ、ここで勝負して売上を倍にする、売れ残っても来季売れる、在庫はゴミだと言うけどそんなことはない。

でも、ファンは限られています。どんなにいいデザインでも、そのブランドを愛し、買ってくれる人の人数は決まっているようです。

数を増やしたことで縫製が乱雑になり、チェックと手直しの作業が増え、数を売っても返って割高になり、どんどん採算が悪化し、ブランドのイメージも落ちてしまいました。

また、売れ残りを1年間寝かせる倉庫代のことも社長の頭の中にはありませんでした。

今なら7掛けで処分できる、現金にすべきだ。倉庫代を払って1年後、7掛けで売れる保証はない。そういう話をしても聞いてはくれませんでした。なぜか行きつくところまでいかないとわかってもらえないようです。

 

趣味の月刊誌でも同じような経験をしました。売れる部数は決まっています。「5万部は必ず売れる、でも、何とか7万部にしたい、」その趣味人口をあと2万人増やすんだ、と毎回7万部刷って、無理やりファンを増やそうとしました。でも、結局5万部しか売れませんでした。

そこで部数を増やすのではなく、月刊誌のほかに隔月刊の特集本を出すことにし、その5万人のファンに確実に買ってもらう機会を増やす作戦に切り替えました。これなら確実な売上を確保できます。

100人買ってくれる人(ファン)がいるなら、99くらいで抑えて、「売切御礼」とし、プレミアムがつくくらいがちょうどいいのです。在庫を持たないことで不安が1つ確実に減ります。

100個仕入れたら100円/個、1,000個なら80円/個、この場合中小企業の仕入は100個です。売り方も丁寧になるし、そこそこの粗利が取れる方法を考え、在庫も残りません。倉庫代もかかりません。

次の100個は別の物で、と考えられるようになります。

1,000個売ろうとすると、薄利多売になります。売る為に販促費をかけ、売れ残りは金になりません。

100個くらいはどこかに消えてしまいます。20円のメリットはあっと言う間になくなります。

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「感」と「経験」と「度胸」

「知識や経験を生かし俺は常に最高の判断をしてきた。」そう言われても、それはたまたま高度成長期のいい時期だったからで、何か問題が起きてもお互いに「ま、いいか」で済まされていた時代の話じゃないの、といいたくなる時があります。

あの頃は確かに「感」と「経験」と「度胸」で何とかなったような気がします。今でもその感覚で仕事をしている社長さんを時々見かけます。

最初の借金はとても慎重で、「500万くらい貸してもらえないですかね?」と相談に来ます。「それでは手許キャッシュが少なすぎです。1,500万借りましょう。運転資金に700万、手元に800万(約1か月分の売上)は残しておいてください。それだけあれば入金が少し遅れても資金繰りで苦しむことはありません。」そう説明し、その時はそれで納得してくれるのですが、でもお金が入ると変わります。社長はすぐにそのすべてをかけて勝負に出てしまいました。

結果は在庫の山です。在庫は売れて初めて価値がある訳で、売れ残ればゴミです。売れ残りは換金できても一山いくらの世界です。

その社長が思ったことは、「なるほど、簡単に借りられるんだ、月20万くらいの返済はどうってことない。次も何とかなる、」です。在庫の山は見ていません。次はもっと上手くやってみせる、なんですが実は次も結果は同じです。

そして次の借り入れは社長自身が銀行に行って借りてきます。借りる前に相談はありません。最初の倍3,000万円位借りてきました。話が煮詰まった段階で必要な書類を作ってくれっ、という連絡が入ります。

 

年商約1億円の会社で、月商5.5か月の借金4,500万円。売掛金の回収に2か月かかるとしても資金は売上の2か月1,600万あれば十分足りるはずです。借金は月商の2か月くらいが心おだやかにいられる限度で、それ以上になるとだんだん不安で眠れなくなります。

運転資金が乏しい時は、慎重に仕入れて丁寧に売っていたのに、金が余ると大雑把になります。

そしてこういう借り方をすると借金はなかなか減りません。主な原因は不良在庫、不良債権、なのですがそれだけではありません。それは早く儲けたい、楽したい、そして見栄を張りたい、なのです。

もっと根本的な原因は、会社を維持するために必要な固定費を賄えるだけの粗利を稼げていないことに気が付いていないことにあります。

80円で仕入れて100円で売る。この差額20円を粗利と言います。この粗利で家賃や人件費等の販管費が賄えなければその事業自体が成り立っていません。「売上が伸びれば何とかなる、」と言うのですが、中小零細企業が売上で勝負をかけても薄利多売の大手にはかないません。粗利2割の商売で生き残るのはとても大変です。

中小零細だからこそ、もっと丁寧な対応で勝負しなければならないのです。

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福利厚生費をどう使ってますか

社長立替の定食屋の領収書がいっぱい出てきます。お昼は社員やバイトのだれかと食事に行っています。

「A君はこういう事で悩んでるんだけど、何かしてあげられないかな、」といった相談を受けたりします。

「思いもかけずB君からこんな提案をもらった、」とうれしそうに話してくれることもあります。

実はその会社には社是、社訓がありません。でも、何かがあるとみんなが結束します。

お昼を食べながら社長自身も実はこんなことをしたいんだけど何かいい知恵はないか、今年このくらいの売上を目標にしたいんだ、これをメインに売りたい、こんな商品を開発をしてるんだ、と常に社員に相談を持ちかけ、どんな会社を目指しているのかを語ってます。

2~30人の会社ならそれでいいと感じました。

一対一でお話ができたらその方が社長の思いをどう受け止めるくれているのか社員さんの様子もダイレクトに伝わってきます。

みんなとお昼が食べられなくなって「うちのモットーは!」と社員全員の前で話さなければならないくらいに社員が増えた時には、一対一でお話をしていた頃の社員さんがその補完をしてくれるはずです。

そんな会社でも社長と社員さん全員の思いが一つになる、ということは難しいことなのです。

その会社でも「こんなボロ会社」、と悪態をついて遅刻早退を繰り返す社員がいました。その彼が他の社員を扇動しようと画策したのですが、逆に他の社員さんたちが何とか彼を説得しようと頑張ってくれました。

結局、彼は辞めてしまいましたが、他の社員が彼を説得しようと動いてくれたのは社長が日頃から社員さんとお昼を食べていた成果だと思います。

お話をしてもわかろうとしない社員は必ずいます。どうしてもうまくいかないこともあると覚悟しておくことです。

そうなっても日頃から社長に相談され、そして相談している社員さんが強い味方になってくれます。

何かを始めようとすると、社員の親戚、知人、そのまた知人といった情報が総動員されます。会社の中に必要とする分野の人がいなくてもいつの間にかそういう人がプロジェクトに参加してくれています。

社長がネットで話している相手は社員さんが紹介してくれたオーストリアの友人でした。

立派な社是、社訓があっても社員に浸透していなければかざりです。

人材はネットで探す、もわかりますが、それではお金だけの付き合いになりかねません。

会社にお伺いすると全員が起立して「いらっしゃいませ!」と迎えてくれる会社もありますが、何となく違和感を覚えるのはそれが自ら率先してではなく、そう言われているから、が見え見えだからです。そういう会社の社長は社員とお昼に行くことはありません。社員の前で訓示はたれても社員の話は聞きません。

これでは打たれ弱いです。儲からないのは働かない社員のせいだ、不況のせいだ、となってしまいます。

自分のせいだ、は絶対出てきません。

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前渡金を渡せるか

工場で特注の機械を導入することになりました。ニッチな業界で、その機械を作れる業者は限られています。

先代の時代から付き合いのある会社から1千万円の見積をもらい、発注しました。

発注してから1か月ほどした頃、その業者さんから連絡がありました。「支払ができない。このままではつぶれる。800万円前金でもらえないか、」

とても資金繰りに困っているようで今にも潰れそうな様子です。でも、その会社の社長は即、800万円を振り込みました。

不安ではなかったですか、と尋ねたら「800万円はあいつの原価だ、これだけの機械を作ってあいつの儲けは200万円、大変な思いをさせてしまった。もし、会社がつぶれてもあいつは必ず機械は納めてくれる。そんなやつだ。」

はっきり言ってかっこ良すぎです。でも、かっこいいと、素直にうれしくなれます。

社長は即決できるだけの情報を事前につかんでいたのも事実です。発注する時に着手金を渡してあげるべきだったと反省もしていました。

コンサルタントに相談すると対応が違ってきます。真逆の対応をしてしまいます。機械は納めればいいってもんじゃありません。トラブルがつきものです。必ず調整をしてちゃんと動くことを確認してから支払うべきです。800万円の前渡しなんてとんでもない。

町工場のおやじさんたちはそんな理屈だけでは動いていません。心意気で動いています。

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どうしたら覚悟が決まるのでしょう

失敗したらどうしよう、もしもうまくいかなかったら、考えれば考えるほど不安で眠れなくなります。

日下公人さんの本で覚悟について学びました。

昔の小学校教育は知・情・意の三拍子がそろっていなければいけないとされ、その三つをバランス良く身に付けるのが義務教育でした。

「知」とは読み書きそろばん。

「情」は感性を磨き、人情のわかる人になるということ

「意」は意欲や意思のことで、「やるぞ」と「断じてやらないぞ」の両方がある。

そしてこの3つをバランスよく身につけることができてはじめて覚悟を決めることができるのです。

やることはやった、何か問題が起きても逃げることなく事にあたれるようになります。

 

40代の創業社長、「知」と「意」はあるのですが「情」はむずかしいなあと感じたことがあります。

社員さんとの会話の中で、「違う、」「そうじゃない、」「ダメだ、」が頻繁に出てきます。社長は社員さんの話を黙って聞いていることができません。

なぜダメなのかもはっきりしません。そのうちこれは「知」識もあいまいなんだなと気が付きました。

何となく不安で仕方がない、単なる頑固おやじでした。

勢いでここまできた。でもひとたび危機に直面するとみんなあっという間にバラバラになってしまいました。

リーマンショック後、売上が3分の1に激減し、何十人もいた社員は数人しか残りませんでした。みんな何も言わず去っていきました。

あの人はどうして辞めたんですか?と社長に聞くと「親の介護で、と言っていた。彼も大変だなあ」とか「うつになったとかみさんが言っていた」 これはお人好しです。社員さんの本音はこんな会社に入って失敗した、あんな社長についていけるか、です。

自分目線でしか見ていないからそれが見えません。彼は何であんな顔をしたんだろうか?「情」があればそう自問できたはずです。「生意気だ、」では何も感じることはできません。

景気がいい時は給料もそこそこだったから我慢もできた。でも金の切れ目が縁の切れ目になってしまいます。

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数字は正直です。

また、寿司屋さんの話です。銀行の融資の方から試算表を見せられて「棚卸の回転率が悪いんだけど、どう見たらいいの」と質問されました。

利益は出てますが、棚卸が300万円もあります。

決算日は定休日の前の日、次の日はお休みです。休みの前の日に300万円もネタが残っている寿司屋にはだれも行きたくありません。その前に10人しか入らないお店で何人分のネタを仕入れてるんだ、と気が付かなければおかしいです。回転率と言う前に、椅子の数くらい見てこい、と言いたくなります。

机の上だけで勉強しているとこうなります。現場を見て体験してそして数字を見ると自然と色んな事が見えてきます。数字を自分で作ってみる。そうすると不自然な数字が浮かび上がってきます。それでも何も感じないようではアウトですが。

銀行やコンサルタントは試算表を見てアドバイスをしてくれます。けど、試算表の数字が正しいかどうかの検証はしてくれません。どうしてその数字がそこにあるのか、それを突き詰めてからでなければ経営分析の意味はありません。

社会保険は銀行口座から月末に自動引落されます。実は残高不足で落ちない、つまり何か月も滞納している中小企業が結構多いのです。月末、この預金残高では社会保険は落ちなかったろうな、と法定福利費を確認するような人には会ったことがありません。でもそういう事に気づけるようになると数字が面白くなります。

もっとも社長自身は社会保険が落ちなかったことを百も承知しています。1度落ちないと半年分くらいはすぐたまってしまいます。これもざらです。そして利益が出てる試算表で融資を受ける。これもよくある話です。

 

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業界の常識はあてになりません。

「うちの業界の何がわかるというんだ、特殊な業界なんだ。素人のお前に言われたくない、」とよく怒られます。その通りです。何が特殊なのか知りたいとも思いませんが、儲かっているかどうかは数字を見ればわかります。

そういう社長の会社は儲かっていません。「同業社でも利益出してる会社、ありますよね、」と言っても「うちは特殊なんだ、だから仕方ないんだ、」で話が終わってしまいます。

変わりたくない典型です。今までこの方法でうまくやってきた。これでは時代に取り残されます。

帳簿をつけるには昔、振替伝票とゴム印が欠かせませんでした。でも今はパソコンです。

パソコンは振替伝票1枚書く間に、その何倍ものデータ処理と集計をしてくれます。シミュレーションもボタン1つです。

「振替伝票がないともしもの時不安だ。」これはもう、過去の人です。情報は消えません。振替伝票の時代には戻れないと覚悟すべきです。

また、データ処理は中国で、という話もよく聞きます。でも零細企業は自分で帳簿をつけるべきです。

中国で作ったのでは「情け」のこもった情報、直接接した本人にしかわからない情報は得られません。

寿司屋さんは帳簿に今日来てくれたお客さんの情報を書き込んでいました。

「奥様の誕生日だった、」「創立○周年の二次会に使ってくれた、」そして去年の帳簿を見ながら案内状を出しています。

帳簿をそんな風に使うなどとは思ってもみないでしょうが、それが次の飛躍につながります。

こういう情報は別の台帳で管理してる、それもありですが、とりあえず帳簿に書き込んでおくことで帳簿が情報源になります。

零細企業だからこそ帳簿を自分でつけることに意義があります。ただ帳簿の付け方、方法は時代に合わせて変えていかなければいけません。

業界の常識は世間の非常識、どこかで聞いたことがあるはずです。

 

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過去の情報に振り回されない

試算表は「先月はこうでした、」という過去のデータしか表示できません。

試算表を見ている時点で状況は刻々と変わってしまっています。試算表には動かなくなった化石となった数字が載っているのです。

過去のデータである試算表を見てその延長線上に線を引いて考えていたのではいざという時に対応を見誤ってしまいます。

小さな汎用部品を作っている町工場ですが、常に最終ユーザーでその部品がどう使われているのかを研究していました。

2次下請の状態でしたが、納品先だった1次下請がつぶれ、元請けと直接取引できるようになった時、より柔軟な納品方法や部品のモジュール化の提案をし、喜ばれたそうです。

実は同じような提案を1次下請けにもしていたのですが、面倒だったのか何も変わらなかったそうです。

1次下請けの会社は延長線上でしか売上予測を立ててこなかったようです。変化を見ることが、変わることが怖かったのかもしれません。

2次下請けだった会社は納品しながら、工場の様子、従業員の話、社長は何に関心があるのか等々を帳簿の摘要欄を使って記入していました。

目の前に起こっていることを、起こるかもしれないことを、見る力、「今、動いている情報」を見抜く力が大切です。

例えば受注が2割減るかもしれない、を事前に感じられなければいけません。また、そうなってから考えたのでは遅すぎます。そうなった時に3割減ってもやっていけるだろうか、のシミュレーションを事前にしておかなければ、いざという時に覚悟を決めることができません。

「この不況時にいきなり倍の注文がきた、」これはとっても危険です。取り込み詐欺かもしれません。喜ぶ前にその先の納品状況を想像してみて下さい。「そんなに売れるもんじゃないな」と気づくはずです。

財務ソフトを使ってシミュレーションすると数字が生きてきます。

数字だけではなく「社長が息子に変わりそうだ、」といった情報も大切です。社長が変わっても今まで通り仕事をくれるだろうか。その仕事がなくなってもやっていけるだろうか。帳簿の摘要欄にその時気づいたことを書きとめるだけで帳簿が生き生きとしてきます。

1次下請けになった会社の売上は倍になりました。そしてただ、言われるままに納品する下請けではなく、開発にもかかわるパートナーとしての地位も手に入れることができました。

試算表はパソコンの画面で確認するだけで十分です。

時々過去数年分の試算表をきれいに綴じて保存している会社がありますが、見直すことは決してありません。捨ててしまいましょう。

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「情報が大切なんだ」という人に限って生きた情報の意味を知りません。

給与のプログラムを提案した時のことです。

「社員コードは16桁ほしい。最初の8桁が生年月日、次の○桁が部門、その次の・・・、それにコメントを書く欄もなきゃ困る。ついでにこんな情報も入れられるようにしてくれ。」

これはみんな社長の「あったらいいなあ、」くらいの思いつきです。

「今は使わないが先々社員が増えてからでは変更が大変だ。そう考えるとこれだけ必要だ。先見の明があるだろう」と言いたいのでしょうが、そういう会社に限って10年たっても社員は10人です。

これは役に立たない情報です。計画倒れで終わります。

そしてこれをやられると情報がどんどん膨れ上がり現場は混乱し、疲弊してしまいます。

本当に大切な必要な情報が霞んでしまいます。

役に立たない情報に金と時間をかけてしまい、おまけに複雑すぎて、間違いだらけの情報になってしまいます。

市販のソフトは必要な情報を十分吟味し、網羅してくれています。社長の思いつきなどかないません。

情報は最少に。社員50人ほどの中小企業なら社員コードは3桁で十分です。

私の事務所では次のような管理をしています。

社長とその家族は001~020番、

それ以外の役員が050~099番、

正社員が100番、。

101「あ」111「か」121「さ」131「た」・・・191「わ」

バイトが200番台

201「あ」211「か」

この程度です。

管理しきれなくなったらその時に4桁にすればいいのです。

この給与の仕訳も会社によってさまざまですが、パターン化すれば効率良く処理できます。

ネットバンクを使って給与を振り込むと通帳には「人数分の手取額」と「振込手数料」が記帳されます。

20人なら、40行。そのまま入力しても情報としての価値はありません。合計額で処理すれば2行で済みます。

明細は給与プログラムで管理し、会計ソフトでは金額(総額)の管理をする、そう分ければ効率が上がります。

日下公人さんの本に「情け」がなければ情報ではない。と書いてありました。その情報は「情け」、愛情のこもった情報なのかどうか、そう考えるとほとんどの情報が色あせて見えてきます。

そして、方法はこれしかない、と考えるのはとてもまずいです。例えば社員さんの番号は入社順でもかまいません。こうすればだいたい社会保険の番号と一致します。方法は1つではない、こうも考えられる、が大切です。